2014年1月27日月曜日

足の裏の痛み

足の裏の痛みもすっきりしないことが多いです。足底腱膜炎などといわれている人が多いのではないでしょうか。従来ステロイドの注射をしたり足底板(靴の中敷)を作ったりしていたのですが、個人的には最近トリガーポイント注射をすることが多いです。画像診断についてのメタアナリシスがあったので読んでみました。無料でこのようなしっかりとしたレビューが読めるのはありがたいことです。

Diagnostic imaging for chronic plantar heel pain: a systematic review and meta-analysis
http://www.jfootankleres.com/content/2/1/32


私なりに内容をまとめてみました。

・足底腱膜の厚さの測定にはエコーを用いたスタディがほとんど。そのほかはMRI、X線撮影など。
・慢性足底痛がある方の足底腱膜は4mm以上あり、そうでない方に比べて2.16mm(超音波で測定)、3.35mm(MRIで測定)厚い
・糖尿病がある方は足底腱膜が厚いことが多い。
・慢性足底痛がある方は踵骨の骨棘(Subcalcaneal spur)がある頻度が8倍以上である。骨棘の生じる部位は母趾外転筋、短趾屈筋の付着部である。
・骨棘は腱膜による水平方向の牽引で生じると考えられていた。しかし最近の研究では垂直方向の圧迫力が骨棘形成に大きくかかわっていると示された。
・踵骨下部に骨シンチで集積を認めることが多い。
・ステロイドを注射すると厚くなっている腱膜が薄くなる。早い方では2週間。
・超音波では腱膜の近位部で無エコーの部分を認め、慢性足底痛との関係が疑われる所見である。これは腱膜の線維が劣化し組織に浮腫を生じた結果と思われる。組織学的に認めるコラーゲンの粘液変性、血管線維芽細胞の増殖に対応した所見である。

画像についてのレビューですので治療についてはほとんど書かれていませんでした。なかなか治らない患者さんがおられたら足底にエコーを当ててみましょうか。


踵骨骨棘について

この図はWikipediaに載っていた写真です(http://en.wikipedia.org/wiki/Calcaneal_spur)



つま先立ちした足を横から撮ったレントゲン写真と思われます。この図で円をつけたところが踵骨の骨棘です。骨の先が尖っているでしょ。

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